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渡辺製菓株式会社
キャリアアップと子育ての両立が当たり前の職場に
1949年に創業した「渡辺製菓株式会社」。“やっぱり違う、保津川あられ”を経営理念に掲げ、味にこだわり、国内産もち米を100%使用したあられをつくっています。自社工場と3つの直売店を展開し、工場直売店ではつくりたての和菓子も販売しています。また、本社敷地内では企業主導型保育事業として、協力会社2社とともに「保津川ひよこ保育園」を運営しており、働きやすい環境づくりにも取り組んでいます。
今回のインタビューでは、2009年に入社した辻󠄀寛子(つじ・ひろこ)さんにお話を伺いました。辻󠄀さんは、課長昇進と同時に産休を取得し、現在は3人のお子さんを育てながら企画室 室長として働いています。
-- はじめに、辻󠄀さんの普段のお仕事についてお聞かせください。
辻󠄀さん(以下、辻󠄀):現在、企画室の室長と直販課の課長を兼務しています。企画室では、主に自社のオリジナル商品の開発やイベントの企画運営などを担当し、直販課では京都市内と亀岡市内にある3店舗に加え、通信販売部門をあわせた4部門の責任者を担当しています。
-- どのようにして求人を見つけられたのですか。
辻󠄀:転職を考えていたときに知人から紹介してもらいました。前職は大阪にある人材派遣会社で営業をしており、仕事へのやりがいは感じていたのですが、勤務時間も長く忙しい職場でした。加えて、仲介業の事業形態は、何か課題を見つけて改善したいと思ったときに、自分が手がけられる範囲が限られてしまうんですね。最初から最後まで自ら手がけられ、納得しながら働ける仕事は何かを考えていくと、メーカー企業に辿り着きました。
-- 職場ではどのような一日を過ごされているのでしょうか。
辻󠄀:日によって業務内容は変わりますが、出勤後は各店舗からの売り上げ報告や発注、相談内容などを確認していきます。その後、直売店の現場チェックを行い、昼からは企画室として企画書やサンプル商品の作成、取引先との打ち合わせなどを行っています。店舗はワクワク感を大切に、手書きのポップとたくさんの商品を並べて、お客さまに楽しんでいただける空間づくりを考えています。
小学生とのコラボレーションで商品化した「うんめいあられ」(写真提供:渡辺製菓株式会社)
辻󠄀:また、新商品を企画するために、現場に出てお客さまから直接お話を伺ったり、流行を知るために全国各地へ足を運んだりしています。「これだ!」と思える商品をひらめくこともあれば、部署の仲間とアイデアを出しあうこともあり、商品開発のプロセスは大変ですがとても楽しいです。近年「昆虫食」への注目が高まっており、弊社も昨年の夏にお手紙をくれた小学生とコラボレーションして、カブトムシのフンを使ったせんべいを商品化しました。
-- 辻󠄀さんは、課長への昇進と同時に産休を取得されたと伺いました。
辻󠄀:次の年度から課長へ昇進することが決まっていたのですが、一人目の妊娠がわかったのが3月半ばだったんです。女性が多い職場で子育てへの理解はあるものの、正直なところ昇進は断らなければいけないと思っていました。ところが、職場の仲間や社長に伝えるとみんな妊娠を喜んでくれて、産休に入る直前まで体調にあわせて勤務時間を調整することができました。また、法律上は3年まで認められている時短勤務も、家庭の事情で2ヶ月ほど延長していただき、仕事と家庭の両立がしやすくなりました。
辻󠄀さんが商品企画に携わられた「やさいあられ」(写真提供:渡辺製菓株式会社)
-- 2021年から企業主導型保育事業をはじめられ、働きやすい職場づくりに取り組まれています。
辻󠄀:「子どもが保育園に入れないから復職できない」という仲間の実体験から、弊社は地元企業2社と共同で「保津川ひよこ保育園」の運営をはじめました。私の娘も通園しているのですが、職場の近くに保育園があるのはとてもありがたく、出勤時に登園しています。先生方とはアプリを通じてやり取りしていて、どうしてもお迎えの時間が遅くなってしまうときや、子どもが熱を出してしまったときの連絡もスムーズです。
辻󠄀:弊社では私以外にも子育て中の方がたくさん働いていますが、業務内容を誰でも引き継ぎやすい状態に改善しながら、家庭の事情にあわせて勤務できる体制を整えています。「自分だけが迷惑をかけているのではないか」という不安もなく、みんな仕事とプライベートを楽しみながら両立しているのではないかと思います。そうしたロールモデルが社内にいることで、これから結婚や子育てを考えている仲間たちも安心して働けるのではないでしょうか。
-- 辻󠄀さんがこれから仕事を通してやってみたいことはありますか。
辻󠄀:私たちも数年前から新卒採用をはじめました。長く働いてきた方々にとってはもちろんですが、次の世代のみなさんにとっても働きやすい環境がつくれるよう、ステップアップのための研修プログラムなどを準備していきたいと考えています。挑戦することを応援してくれる会社の風土もあるので、商品開発も含め新しいことにどんどんチャレンジしていきたいですね。
・会社HP:https://www.hozugawaarare.com/<外部リンク>
・亀岡市SDGsパートナー:https://www.city.kameoka.kyoto.jp/site/sdgs/42892.html