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興味しんしん
“ママ、ぼくにもできるよ”
ぼくは自分でゴロンと寝返りを打って、少しなら移動もできるようになって1人でなんとか座れるようにもなったよ。ママと向かい合わせで座れるようにもなって、ママのマネしてバイバイもできるよ。
視界が広がって、お部屋の中にはおもしろそうな物がいっぱいあることにも気づいた。目に付いた物を触りたくてしかたがないんだ。
ママはワンワンのぬいぐるみで遊んでいるぼくにいつも、「ワンワンかわいいね」って言うでしょ。そうかワンワンっていうのはあれを指すんだということも何となく分かってきた。
あれっママがいない!なーんだトイレか。いつも金魚のフンみたいにトイレの中までついてくるぼくにママは困った顔をするけど、ママがいつも見守ってくれているっていう安心感があるから、あちこち探検できるんだ。今のぼくにとってママは安全基地のようなもの。こうしてママに愛されてるんだという安心感があるからぼくはこの先しっかり自立していけるんだからね。
「ピンポーン」あれっ、誰かきた。パパでもないし、ぼくの知らない人だ。
「まあ可愛い、だっこしてあげる」っていうけど、イヤイヤ、ママやパパじゃなきゃダメ。この気持ちを分かって欲しいのになかなか分かってもらえない。きっとママにはキーキー泣き叫んでるだけにみえるんだろうね。
ああ今日もたくさんの事を見たり、聞いたりしたなぁ。
ねんねの途中で目が覚めてまたママを困らせちゃうかもしれない。ごめんねママ。でもこれもかしこくなった証拠と思って長い目でみてね。