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令和6年度施政方針
令和6年亀岡市議会定例会3月議会の開会にあたり、その冒頭(令和6年2月21日)で令和6年度の市政運営についての基本的な考え方を申し上げました。
その全文(議案説明部分を除く)をお知らせします。
現在、本市を取り巻く環境は、3年以上に及んだコロナ禍がようやく終息に向かい、日常が戻りつつあるものの、物価の高騰が市民生活や地域経済に様々な形で影響を及ぼしています。経済の回復や気候変動、大規模災害への対策、デジタル化への対応など、様々な分野における課題を乗り越え、持続可能で誰1人取り残さない、多様性のある社会を実現していくことが求められています。
こうした情勢変化に的確に対応し、「市民が主役のまちづくり~市民力で未来を拓く~」を基本に、今を生きる私たちと次代を担う子どもたちのため、「亀岡に住んで良かった」と実感していただけるまちの実現に向け、全身全霊をかけて取り組んでまいる所存でございます。
私は3期目に当たり、公約として、「亀岡新時代ビジョン」を掲げ、今を大切にしながら未来へ向かっていくために、市民の皆様へ、まずは未来への101の政策をお示しし、そしてそれらを集約した10の約束をいたしました。
1つ目は、『京都府内No.1の子どもと子育てを応援するまち』です。子どもファースト宣言に基づき、医療費の18歳までの無償化や第2子以降保育料無償化、そして、おむつの提供と処理の無償化などを既に実施しております。
今後も、市内の保育士確保・定着を図るため、奨学金返還支援事業などを実施し、待機児童の解消につなげ、引き続き子育てを全力で応援してまいります。
2つ目は、『学びを応援!!子どもが夢を持ち成長するまち』です。4月に、本市で2校目となる小中一貫の義務教育学校「育親学園」を開校いたします。子どもたちが、ふるさとをいつくしむ豊かな心と未来を創造する力を育む学園を目指してまいります。
また、中学生を姉妹都市であるアメリカ・スティルウォーター市やオーストリア・クニッテルフェルト市へ派遣するとともに、姉妹都市からの派遣も受け入れるなど、国際交流を発展させていきます。
また、大阪・関西万博開催期間中には、市内小・中、義務教育学校の全ての子どもたちに万博会場での校外学習を実施したいと考えております。異文化との交流や体験から豊かな国際感覚を身につけ、グローバルに活躍できる子どもたちの育成に取り組んでまいります。
3つ目は、『「人生100年時代」誰もが健康で幸せに』です。亀岡市立病院を核として、地域の病院・医院・診療所の連携による持続可能な地域医療提供体制の確保・充実や、健康づくり・介護予防を推進することにより、健康寿命の延伸を図るとともに、日本人の2人に1人ががんになると言われている現在、がん患者へのアピアランスケア助成事業の創設や、障がい者雇用の促進など、誰もが地域で安心して暮らし続けられるまちづくりを進めてまいります。
4つ目は、『地域と共に、すべての世代が安全・安心に』です。亀岡市は、平成20年に国内で初めてセーフコミュニティに認証され、これまで市民の皆様と一緒に安全・安心なまちづくりに取り組んでまいりました。そして、昨年12月には、日本初の国内認証を取得いたしております。さらには大規模災害に備える避難施設「カーシェルター野水」の整備や、自治会、企業の防災リーダーの養成による地域の防災力向上、全小・中、義務教育学校への防犯カメラの設置など、防災と防犯で安全・安心に暮らせる、そして互いに支え合える地域コミュニティ活動の推進に取り組んでまいります。
5つ目は、『シニア世代の移動をもっと自由に』です。現在のバス・タクシー・JRなどの公共交通網を維持していくとともに、地域主体型交通への支援を拡大することで、中山間地域等の生活の足を確保し、併せて高齢者乗車券の拡充やバス無料デーの実施などにより、市民の皆様の移動手段の充実に取り組んでまいります。
6つ目は、『亀岡まるごと、芸術・スポーツ・文化を通じて感動体験を』です。市民の皆様やその地域と市内の芸術家をつなぐ霧の芸術祭の推進や、歴史と文化を発信する博物館や梅岩の里生誕地記念館、市民活動の拠点となる文化ホールの整備に取り組みます。
また、従来のスポーツに加えて、京都・亀岡バルーンフェスティバルなどのスカイスポーツや保津川のラフティングなどの推進、そして、京都サンガF.C.と地域の小・中、義務教育学校との連携を強め、スタジアムと併せ、亀岡市が京都サンガホームタウンとしてさらに発展することを目指してまいります。
7つ目は、『自然と調和した都市機能の向上、魅力あるトカイナカへ』です。大雨などによる交通規制、通行止めにより陸の孤島とならないよう、国道9号の京都・亀岡間のWルートの整備促進や、国道423号法貴バイパスの早期完成に向けて取り組みます。
また、令和8年度の「全国都市緑化フェアin京都丹波」の開催に向けて、市民による地域の花と緑のまちづくり活動を支援するとともに、亀岡駅北にはオーガニックビレッジパークを整備するなど、自然と調和したまち、うるおいと憩いの空間づくりに取り組んでまいります。
8つ目は、『産業・農業・観光の発展、まちの活気と賑わいの原動力』です。オープンイノベーションセンター・亀岡による企業支援により、地域経済の発展の原動力となる産業、農業の活性化を促進するとともに、京都縦貫自動車道篠インターチェンジ、亀岡インターチェンジ周辺等における産業立地基盤の整備と企業誘致を進めます。
また、2月10日に開校いたしました亀岡オーガニック農業スクールにより、有機農業を志す人材を育成し、地球環境と人に優しく持続可能性の高い循環型の有機農業を推進してまいります。
また、昨年、国土交通省の日本ガーデンツーリズムに、亀岡市を含む5自治体を結ぶ森の京都ガーデンツーリズムが登録されました。三大観光と併せて新たな観光客誘致と、地域の活力、にぎわい創出に取り組んでまいります。
9つ目は、『持続可能なSDGs未来都市へ、世界に誇れる環境先進都市の推進』です。今から20年以上前、当時私は、亀岡青年会議所ビジョン特別委員会のメンバーとして、2020年の亀岡のまちの将来ビジョンを「世界に誇れる環境先進都市の実現」と位置づけました。そして今、私は市長となり、「かめおかプラスチックごみゼロ宣言」、そして全国初となる「亀岡市プラスチック製レジ袋の提供禁止に関する条例」の制定を実現することができました。
また、環境を中心に、かめおか霧の芸術祭をイノベーションハブとして、教育・文化・農業・観光などをつなぐ持続可能なまちづくりへの取組が評価され、内閣総理大臣から「SDGs未来都市」に選定されました。さらに今後は、未来の子どもたちのために持続可能な地球環境の保全に向け、カーボンニュートラルとサーキュラーエコノミーの実現に挑み、そして、人が集い、つながり、交流する環境拠点施設を設置することで、豊かな自然を守り、人と自然が共生できる持続可能なシステム「かめおかモデル」を創出いたします。
最後は、『亀岡新時代へ 次なる未来へ飛躍を』です。今、亀岡は、まさに全国の皆様に「選ばれるまち」となってまいりました。令和5年度のふるさと納税は、1月末現在で約10万9,000件の寄附を頂戴し、昨年度の寄附額34億円を大きく上回り、既に40億円を超えております。そして私が市長就任後、現在までの累計額は151億円を突破いたしました。
また、亀岡市への転入者数が転出者数を上回る、いわゆる転入超過の状態が、令和3年から3年連続で続いております。令和3年は48名、令和4年は138名、そして令和5年は241名の転入超過となっております。
そして、4月13日、14日には、アイドルグループ「ももいろクローバーZ」が地方自治体と協働して「まちおこし」を目指すライブ活動「ももクロ春の一大事」の開催が決定いたしました。これも、多くの自治体が開催に応募する中、亀岡市が開催地として選ばれたものです。各日1万5,000人を超える方々が、全国から亀岡市を訪れることとなり、大きな経済効果が見込まれます。
令和8年度に開催誘致を推進しておりました、国内最大級の緑のイベント「全国都市緑化フェアin京都丹波」の開催につきましても、先日、国土交通大臣の同意をいただき、正式に開催が決定いたしました。これまでは、都道府県や政令指定都市など大都市での開催が主でしたが、今回、地方都市での開催同意をいただけたことは、亀岡市の花と緑のまちづくりへの取組はもちろんのこと、私が発起人の1人として設立をいたしました100を超える自治体が加盟する「花と緑のまちづくり全国首長会」での積極的な活動も評価されたものと考えております。
このように、これまで様々な分野において将来につながる種をまき、そして、育んできたまちづくりへの取組やシティプロモーションが、今、形となり、そして現実となってきています。市民の皆様にわくわくしていただける、亀岡新時代の到来です。この確かな流れを次なるステージ「躍動の時代」へとつなぐため、これからも高い志と実行力で、市民の皆様とお約束した政策の実現と、来年1月には市制施行70周年という記念すべき節目の年を迎える亀岡市の未来への飛躍に向け、全力で取り組んでまいります。