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令和元年度に新たに指定した亀岡市指定文化財を紹介します

ページID:0004269 2021年7月12日更新 印刷ページ表示

令和2年2月27日に新たに亀岡市指定文化財を4件指定しました。

詳細については、以下のとおりです。

【有形文化財(彫刻)】木造師子狛犬(一対)(鎌倉時代13世紀前半)

愛宕神社に所在する、鎌倉時代初期に作られた個性的な作品です。鼻面が短く、顔は縦方向に長くなり、両目は大きく見開かれています。この目の形は怒りの感情をあらわしたもので、明王像などの顔に似ています。目立った特色としてタテガミは毛筋が刻まれず、女性の髪のように肩から背中に張り付くように表されます。狛犬の背中は中ほどで前傾しています。鎌倉時代の野性味のある作風と異なり、ある種の愛らしさを含んでいます。狛犬は頭上に一本の角がありましたが失われています。また右前足を軽く持ち上げ、動き出すような姿勢です。

この師子狛犬は、平安時代にさかのぼる古い姿をとどめながら、右足を持ち上げるなど鎌倉時代に現れる動きのある姿勢を示しています。制作年代は鎌倉時代も早いころと考えてよいでしょう。丹波・丹後両地域の木造師子狛犬として最も古い姿をとどめた貴重な作品です。作品名の表記に関しては、史料上の用例にならって「師子狛犬」としました。

木造師子狛犬1

【有形文化財(彫刻)】木造師子狛犬(一対)(鎌倉時代13世紀後半)

同じく愛宕神社に所在する、鎌倉時代に流行し、後世の手本とされた形式を示す優れた作品です。目が小さく、バナナの房のように表されたタテガミの先端は反っています。鼻すじに筋肉が盛り上がり、狛犬の鼻面は長くなっています。前足と後足の間隔が狭く、胸を反らして頭部は高く持ち上げています。表情には聖獣としての威厳が備わると共に、猛獣らしい荒々しさも見ることができます。このような表現は鎌倉時代に入って登場する師子狛犬の典型的な形式の一つで、お手本とされて後世にも継承されました。

この作品は表情がやや硬くなり、胸や前肢も筋肉の盛り上がりなどを丁寧に表さないなど、鎌倉時代前期の作例に比べて細部に形式化を見せ始めています。これらの特色から、現在の社殿の建立に合わせて鎌倉時代も中ごろに造像されたと考えられます。

本作品は亀岡市域に現存する木造の師子狛犬としては二番目に古いもので、かつ彫刻として優れた作品です。

木造師子狛犬2

【有形文化財(古文書)】明智光秀書状(戦国時代16世紀後半)

明智光秀が、村上紀伊入道に当てて、贈り物のお礼が述べられています。年未詳9月15日付けで、内容としては村上氏が髭籠(籠の一種)に入れた柿を、光秀に贈ったことに対しての御礼状です。年代も確定できず、村上紀伊入道についても詳しいことは分かっていませんが、書状が残る地元、保津地域にいた人物であろうと推測されています。亀岡市に残る明智光秀書状としては希少なものであり、貴重な資料です。

光秀書状

翻刻

木練之髪(髭)籠弐到来、祝着候、遠路志賞翫無他候、恐々謹言、

九月十五日光秀(花押)

村上紀伊入道

意訳

髭籠(ひげこ)に入った木練柿(こねりかき)が二つ届きました。嬉しく思います。遠方からわざわざ気遣いいただき、賞翫(しょうがん)すること、この上ないものです。

【無形民俗文化財】サンヤレ(火伏せの行事)

8月24日の夜に畑野町土ケ畑で行われる、愛宕信仰に由来する火祭りです。地区の小学生が各家から芝を集めて、地区内の円山と呼ばれる子山の頂上に運び、大松明を作ります。夕方から、鉦と太鼓で「に~しのお~くのサンヤレヤ」と囃しながら松明を焚き、同時に山頂にある愛宕灯籠に献灯します。以前は子どもの人数も多かったため円山の頂上で三か所に分かれて行っていたと伝わりますが、現在では地区内の大人たちによって、一か所だけで行われています。

京都市域北部から、南丹市、福井県にかけて広がる丹波山地の集落では、8月の盆の時期を中心に「松上げ」という愛宕信仰に基づく火の祭礼が数多く行われており、亀岡市域で今でも行われている類例として、貴重な行事であるといえます。

サンヤレ

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