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株式会社山嘉精練

更新日:2024年3月15日更新 印刷ページ表示

一人ひとりに耳を傾け、働きやすさを大切にする職場づくり​

1970年に創業した「株式会社山嘉精練(さんかせいれん)」。1555年から京都御所の中で御寮織物司(ごりょうおりものつかさ)としてシルクを扱ってきた歴史があり、代々培われた高い技術や知識を活かしながら、シルクの精練や染色、加工を行っています。亀岡市で仕事をはじめてからは、和装以外にもドレスやスカーフ、ネクタイ、ニット製品等に適したシルク加工をはじめ、国内では東北から沖縄まで全国の産地から依頼を受け、海外ではヨーロッパの高級ブランド向けの染色も行っています。

今回のインタビューでは、代表取締役社長の山内伸介(やまうち・のぶゆき)さんにお話を伺いました。山内さんは専門商社への就職を経て、1996年から家業へ。2001年に代表取締役に就任し、職場の働きやすさを向上するために、さまざまな改善の取り組みを行ってきました。

山嘉精練の山内代表の写真1

 

-- はじめに、株式会社山嘉精練の仕事についてお聞かせください。

山内さん(以下、山内):弊社はシルクの専門会社として創業しました。シルク素材の生地を生産するために欠かせない専門的な加工技術を保有しており、国内外のお客さまからさまざまなオーダーをいただきます。シルクの元になる蚕が古くは外服薬として重宝されていたように、ファッション業界以外では医療用のシルク糸も手がけています。現在、弊社では15名が働いており、絹糸全般の精練・染色と各種加工を行っています。

ミラノでの商談の様子

ミラノでの商談の様子(写真提供:山嘉精練)

 

-- 働くみなさんは、職場でどのような一日を過ごされていますか。

山内:私たちの仕事を大きく分けると、染色等のものづくりを担う職人仕事と、お客さまとのやり取りを行うオフィスワークの2種類があります。始業は8時のチームと9時のチームに分かれるので、それぞれに一日の段取りを決めて業務を進めます。午前中だけ働いて退勤される方、午後から出勤される方など、できる限り一人ひとりの希望を聞きながら、生産スケジュールを立てるように心がけていますね。

調合の様子

お客さまが求める色を伺い、実際に調合しながらイメージをすりあわせていく。

 

-- 社員の方々はどのような経緯で入社されたのでしょうか。

山内:行政主催の就職フェアで出会った方や、自社サイトに問い合わせを下さった方など、人によってさまざまです。業務内容は専門的なものになりますが、私たちの仲間にはファッションや服飾を学んだ方ばかりではなく、未経験からスタートしている方もいらっしゃいます。子育てをしながらパートで働いていた方が、子育てがひと段落したタイミングで正社員になるケースもありました。働いているみなさんに共通しているのは、ものづくりに興味があることでしょうか。関心をもたれている方であれば、入社後に知識や経験を積んでいただける職場だと思います。

洗えるシルク商品

日常的な使いやすさを追求した洗えるシルク「SHIDORI®<外部リンク>」を開発。(写真提供:山嘉精練)

 

-- 有給休暇の取得率を上げるための工夫をされていると伺いました。

山内:社員のライフスタイルもさまざまなので、半日からでも有給が取れるように工夫しています。そのほかにも、プライベートの予定が立てられるように、年末には翌年の年間スケジュールをお渡しし、会社側が決めた休みは変更のないように心がけています。なかなか有給の取得が進まなかった頃、順番に有給を取ってもらえるような期間を設けてみると、そこから取得率はぐんと上がりました。この春からは新たに、有給休暇推奨日を7日間設けています。

 

-- 働きやすい職場づくりをはじめられたきっかけはなんだったのでしょうか。

山内:大学卒業後に入社した商社は、社員同士の競争を促す風潮がある職場だったんですね。先輩からも「会社に必要なのは数字をつくれる人間だ」と入社初日に言われたことを覚えています。時代的な背景や業界的な性質はあったのかもしれませんが、必要以上に競争しなければなりませんでした。かといって、業績を伸ばせば一緒に働いているはずの仲間からは妬みもあり、同じ会社にいるのにチームワークが感じられなかったんですね。人が持っている力をフルに発揮できる職場はこういう環境ではないと強く思い、自身の経験から働きやすい職場づくりを心がけるようになりました。

山嘉精練の山内代表2

 

-- 働き続けたくなる職場づくりのために必要だと考えていることはありますか。

山内:やっぱり日々のコミュニケーションですね。社内のレクリエーションなども行なっていますが、定期的に面談をしながら個々の希望や相談を聞く時間を設けています。ある日、集中できる環境について話題があがり、「実は音楽が流れている方が集中できるんです」と話す方がいて。私は静かな方が集中できるので気がつかなかったんですけど、社内にも音楽が流れている方が集中しやすい方が複数いることがわかり、希望者を募って個人用のスピーカーを購入しました。職場環境はこのように思いがけないところで改善できると思うんです。朝起きて「さぁ、仕事に行くのが楽しみだ!」と思ってもらえるような職場づくりをしていきたいですね。

 

・会社HP:https://sankaseiren.com/<外部リンク>


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