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糖尿病内科
特色
当科では、京都府立医科大学糖尿病内科(内分泌・糖尿病・代謝内科)からの常勤医師1人と非常勤医師2人とで診療にあたっています。治療においては、食欲のコントロール、栄養指導の実施を通じて、病態の改善を目指し、必要な患者さまには、薬物治療をおこなっています。また、当院には、糖尿病療養指導師の資格を持つ医療従事者がおり、糖尿病のチーム医療を進めています。
また、糖尿病チームでは、糖尿病委員会の活動をおこない、糖尿病教室の開催などを通じて糖尿病についての理解を深める活動に取り組んでいます。
糖尿病教室は基本的に毎月第3火曜日午後1時から、当院のウェルネスホールにて実施しています。どなたでも当日参加可能ですので、関心のある人は、ぜひお越しください。
当科の治療方針
糖尿病の薬物治療では、患者さまの病態を的確に把握した上で、病態に応じた治療薬の選択が重要となります。当科では、一人ひとりの患者さまの病態に合わせた、適切な薬物療法をおこないます。最近では、週に1回の皮下注射が登場し、患者さまにとって無理なく体重の管理ができる糖尿病治療が可能となっています。
また、インスリン治療を初めて受けられる方には、基本的には入院をおすすめしていますが、個々のケースに応じて、外来でも実施しています。
当院ではインスリンポンプ・SAP療法も実施しており、必要な方には持続血糖測定を実施しています。
糖尿病になってしまいますと、上記のような治療が必要となってきますが、食事と運動を適切におこなうことで、血糖をうまくコントロールすることにより、できるだけ通常の健康な体に近づけていくことが可能です。そういったことも含めて、患者さまと十分に相談しながら、解決への糸口を見つけ、健常者と同じように、いろいろなことにチャレンジして生活を楽しんでいただきたいと思っています。
※インスリン・・・体内ホルモンの一つで、すい臓から出ています。血糖値を下げる働きをするホルモンです。
各疾患について
1型糖尿病
まったくインスリンが分泌されなくなってしまう状態の糖尿病です。そのため、インスリンを体外から補給しないと生命に関わることになります。
2型糖尿病
体内でインスリンが分泌されているもののその効果が不十分である状態です。肥満や運動不足、ストレスなどをきっかけに発病する糖尿病です。症状がないわけではないのですが、ゆっくりと変化してくるため、症状を自覚しにくい場合がしばしばあります。そのため、いつ発症したのかがわからないままで過ごすことになり、職場の健康診断などで偶然に発見されることとなります。治療しなかった場合、糖尿病の合併症が進んでしまうこととなります。患者数が多く、生活習慣病として問題となっているのは、2型糖尿病です。
糖尿病と合併症 - 三大合併症
糖尿病には、三大合併症といわれる糖尿病による臓器障害があります。それは、網膜症(目の障害)、神経症(神経の障害)、そして、腎症(腎臓の障害)です。
腎臓は、血液中の老廃物や不要物を尿中に排泄すると同時に、必要なものは漏らさないようにして血液の適正な環境を保つという働きをする臓器です。糖尿病にかかることで、その大事な働きが阻害される腎症を併発することになるのです。糖尿病腎症が進行すると、尿毒症を発病し、人工透析をうけないといけない体になってしまう段階にまで至ります。
糖尿病性ケトアシドーシス
糖尿病患者において、インスリンが完全に欠乏しまうことによってもたらされる酸性血症(アシドーシス、血液中の酸と塩基との平衡が乱れ、酸性側に傾いた状態)のことです。1型糖尿病をお持ちの方で発症することがあります。数日間~数時間で、多尿、嘔吐、腹痛などの症状が現れて、そのまま進行すると、昏睡や意識障害をきたすこととなり、生命をおびやかす危険性が発生します。直ちにインスリンを体外から補充する必要があります。
肥満症
肥満症とは、肥満による健康障害がある人、あるいは、内臓脂肪が過剰に蓄積していて、内臓脂肪による健康障害が予測され、減量治療を必要とする状態のことです。
非アルコール性脂肪肝炎
お酒を飲まない方におきる脂肪肝を基礎疾患とした慢性肝炎です。メタボリックシンドロームに伴って発症することが多く、メタボ肝炎といわれることもあります。
お酒を飲む方の肝障害はアルコール性肝障害として知られていますが、アルコール性肝障害でも肝臓の脂肪化がしばしばあります。
こういった慢性肝炎では、多くの場合は、目立った症状として現れないのが特徴ですが、全身のだるさや食欲不振、疲労などの漠然とした症状があることもあります。慢性肝炎が進行すると、肝硬変というさらに重い疾患に至ることもあり、肝臓がんを発症することもあるので注意が必要です。