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ページID:0004472 2021年7月12日更新

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泌尿器科

特色

当科では、京都府立医科大学泌尿器科からの非常勤医師で診療にあたっています。そもそも泌尿器科とは、排尿に関連する疾患全般と男性生殖器の疾患を治療する診療科です。当科においても、尿路(腎臓、腎盂尿管、膀胱、尿道)、男性生殖器系(精巣、精管、精嚢、前立腺)、内分泌(主に副腎)の疾患の診療をおこなっています。

当科の治療方針

一言で泌尿器の疾患といっても様々なものがあり、同じ疾患でも、その症状の出方は様々です。また、逆に、一つの症状でも、様々な疾患がひそんでいる可能性があります。そういった複雑な泌尿器の疾患に対し、診察での詳しい問診と尿の検査、必要な場合は、血液検査やレントゲン、超音波、CT、MRI、尿道造影などといった画像検査を実施し、患者さまにとって、最善の治療方法を検討します。基本的には、通常おこなわれる標準的な治療方法を提案しながら、より柔軟に、それぞれの患者さまの状況に応じた治療方法をおこなっていきたいと考えていますので、ご遠慮なくご相談ください。

社会の高齢化が進むにしたがって、前立腺肥大症、前立腺がん、膀胱がんなどの疾患が増加しており、そのため、いろいろな他の疾患を持っておられる高齢の患者さまの治療をすることが増えてきていますが、他の診療科・他施設とも協力しあいながら、患者さまの治癒につながっていくよう努めています。

各疾患について

前立腺肥大症

前立腺は、通常、クルミぐらいの大きさです。しかし、加齢とともに肥大化することによって、尿道や膀胱が圧迫されることで、排尿障害が発生します。これが、前立腺肥大症です。治療は、初期の症状が軽い段階では、まずは、薬物療法でおこないます。

膀胱炎

膀胱が炎症を起こすのが、膀胱炎です。原因としては、外から大腸菌などの腸内細菌が、尿道をさかのぼって膀胱の中に雑菌が入り込むことにより引き起こされます。膀胱炎になった場合、原因となっている菌を死滅させるために、抗生物質を使う薬物療法をおこないます。水分をしっかりとって、尿量を増すことにより、症状が緩和されることがあります。

過活動膀胱

「急な尿意をもよおして、がまんできない」、「頻繁にトイレに行く」、「急に尿意があり、トイレに向かったが、行く途中でもれてしまった」などの症状(尿意切迫感、頻尿、切迫性尿失禁)を示す病気が、過活動膀胱です。治療は、薬物療法や行動療法(排尿回数をコントロールする膀胱訓練などで機能の弱まった膀胱を鍛える)などをおこないます。

神経因性膀胱

膀胱に尿が溜まると、膀胱から頭へトイレに行くよう信号が送られます。神経因性膀胱とは、尿を溜めたり、出したりする信号がうまく送られることができなくなった状態です。そうなると、トイレが近い、排尿してもすっきりしない、尿がもれるなどの症状が出てきます。治療は、薬物療法や膀胱訓練、排尿訓練(排尿時に下腹部を圧迫し尿の勢いを強くする)をおこないます。

水腎症

腎臓で作られた尿は、腎盂というところから細い管(尿管)を伝わって膀胱に流れ込みます。その尿の通り道が、何かの原因で拡張した状態を水腎症といいます。尿が流れなくなり、腎臓が拡張するので、痛みを感じたり、気持ちが悪くなったりします。尿路通過障害を起こしている部位の治療をし、尿路を確保したり、水腎症になった原因の病気をできるだけ治療し、水腎症が発症しないようにしたりします。

尿路結石

尿の通り道である尿路にできた結石が尿路結石です。しばしば背中から脇腹にかけて我慢できないほどの激痛を引き起こします。食生活の変化により、肉類などの動物性タンパク質の摂取量が増えていることが、結石の主成分であるシュウ酸カルシウムが溜まることにつながり、結石が増える要因となっています。薬物治療の他に、体の外側から衝撃波を与えて結石を砕く治療や内視鏡治療をおこないます。ただし、治療後も再発を防ぐために、水分を十分に取ったり、食生活を改善していくことが大切です。

前立腺がん

文字どおり、前立腺にできるがんです。前立腺とは、男性にだけあって、膀胱(ぼうこう)の下に位置し、尿道の周りを取り囲んでおり、精液の一部に含まれている前立腺液をつくる働きをしています。このがんのほとんどは、男性ホルモンによって成長するため、その分泌を抑制する治療方法(ホルモン療法)が基本となります。早期発見にはPSA検査が有用です。

膀胱がん

膀胱は、尿を貯めたり、排出したりする臓器です。膀胱にがんができると、血尿が見られることが多く、その他、頻尿や排尿時の痛み、残尿感などが自覚症状としてあります。治療は、がんの根の深さによって異なり、根が浅い場合は、内視鏡的にがんを削り取るという方法になり、深い場合は、がんの一部をとって、組織検査をした結果をふまえて、適切な治療を検討することとなります。

診察日・外来担当医は、「担当医表」でご確認ください。