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第143回 骨粗しょう症について
整形外科部長兼診療技術部長 久保 恭臣
専門分野 関節外科
骨粗しょう症は、骨の量(骨量)が減って骨が弱くなり、骨折しやすくなる病気です。ちょっとしたはずみで背骨を骨折したり、転んで手首や太もものつけ根などを骨折したりします。
骨の中では、古くなった骨が新しい骨に作り変わることが繰り返されています。吸収された骨より新しく形成される骨の量が少なくなると骨量が低下し骨の強度が弱くなってしまいます。特に女性では、閉経後に女性ホルモンが減少することで骨吸収が増え、骨粗しょう症になる人が増加します。
適度な運動とカルシウム、ビタミンD、たんぱく質を含む食品の摂取を心がけ、予防をしていただくことが大切です。
骨折をしないことが理想ですが、不幸にして骨折をしてしまった場合には次の骨折を起こさないようにすることが大切です。
「この治療をしていれば大丈夫」といったものはないですが、骨の吸収を抑制する薬や骨形成を促す薬、ビタミンDなどのお薬があり、患者さんの状態に合わせて処方しています。
高齢になっての骨折や、骨折した血縁者がいるなど、リスクの高い方は骨密度測定を受けてみられることをお勧めします。