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亀岡市立病院 > 病院のご案内 > やさしい健康講座 > 第138回 鼠径ヘルニアって?
ページID:0004423 2021年7月12日更新

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第138回 鼠径ヘルニアって?

外科部長 荒木 康伸

専門分野 消化器一般外科、内視鏡外科

写真:外科部長 荒木 康伸

鼠径(そけい)ヘルニアという疾患を知っておられますか?俗にいう脱腸のことです。大腿と腹部の境界付近のことを医学的には鼠径というのですが、そのお腹の壁の弱いところから、腸が脱出するのが鼠径ヘルニアです。立ったり、おなかに力を入れたときに膨らみが顕著になり、横になると消失するのが特徴です。男性に多く、好発年齢としてはお子さんとご高齢の方に多いことが知られています。放置しておくと、腸が出たまま戻らなくなって、腸の血流障害をおこしてしまう危険性があります。そのため診断がつけば治療が必要となります。治療としては、手術以外に治す方法はなく、網状のメッシュを埋め込み、鼠径を補強することが標準的治療になります。鼠径を直接切開してメッシュを埋め込む術式が主でしたが、最近は鏡視下(腹腔鏡)でメッシュを埋め込む術式が急速に浸透しつつあります。全身麻酔が必要となりますが、創が小さく痛みが少ない・両側同時修復可能などの利点も多いです。自覚症状のある方は一度外科を受診されることをおすすめします。