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亀岡市立病院 > 病院のご案内 > やさしい健康講座 > 第154回 脂肪肝/隠れメタボ~太ってなくても
ページID:0017379 2021年7月12日更新

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第154回 脂肪肝/隠れメタボ~太ってなくても

内科部長  木村 史子

専門分野 内科一般、消化器病学

木村史子写真

体脂肪には、皮下脂肪、内臓脂肪、そして異所性脂肪があります。生活習慣病にかかわるものとして内臓脂肪が重要視され、簡便なチェックとして腹囲測定で代用しメタボ健診に取り入れられています。
しかし日本人を含むアジア人では非肥満者であっても生活習慣病になる人が多く、これまで理由はよくわかっていませんでした。最近の研究で、非肥満者では内臓脂肪よりも異所性脂肪の一種である脂肪肝のほうが、脂肪の燃焼場所である筋肉の代謝障害と強く関連することが示唆されました。
異所性脂肪とは皮下脂肪や内臓脂肪のように脂肪細胞に蓄積するのではなく、本来たまるはずのない臓器や筋肉に蓄積されるものを指します。皮膚をつまめばわかる皮下脂肪やお腹がポコッと出てくる内臓脂肪とは違いその蓄積はわかりにくいものです。けれども異所性脂肪や内臓脂肪は皮下脂肪に比べると運動によって減らしやすいという特徴があります。また夜間は体内時計に関する蛋白質の働きで、脂肪細胞以外の細胞にまで脂質が蓄積されやすいこともわかってきました。適度の運動と夜の過食を控えることで改善が見込めます。