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第149回 「浮腫」について
循環器内科 福居 顯介
専門分野 循環器一般
ヒトのからだは、血管(動脈・静脈・毛細血管)やリンパ管がめぐっていますが、血液の液体成分である血漿により、細胞に酸素や栄養素が届けられ、老廃物が回収され、静脈やリンパ管に戻ります。
各細胞間には、細胞間質といわれる液体でみたされていますが、浮腫とはこの細胞間質液が増えることで起こります。
浮腫をきたす病態としては、1血管内の水分が多くなりすぎ血管外にしみでていく場合、2蛋白の合成不良・漏出により血管内に水分を保つ力(浸透圧)が低下する場合、3静脈・リンパの流れが悪くなった場合などがあげられます。
各々の代表的な病気としては、1心不全、腎不全、2肝硬変、ネフローゼ症候群(多量の蛋白が尿中にもれる)、栄養失調、3下肢静脈血栓症、リンパ浮腫(手術や放射線治療によりリンパの流れが停滞)、などがあります。その他、甲状腺異常、アレルギー性、薬剤性などもあります。
浮腫の原因はさまざまあることから、治療できるものから、付き合っていくものまであります。浮腫でお悩みの人は、一度医療機関を受診され、ご相談なさるのがよいと思います。