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学校だより 12月号
「実り多き2学期」~さらなる成長を願って~
霧が晴れると、赤や黄色に染まった山々の景色が一層鮮やかに見えます。師走を迎え、吹く風の冷たさに本格的な冬の到来を感じる季節となりました。早いもので2025年も残すところあと一ヶ月、学校では定期テストを終えて、まとめの時期になりました。
2学期は「文化祭」や「体育祭」、部活動における新人大会、演奏会や美術展、各種コンクールや検定試験など、生徒が目標に向かって主体的に取り組む姿がたくさん見られました。その中で、達成感や自己肯定感を高めた人もいますが、中には悔しい思いをした人もいるでしょう。上手くいかない時、それをどう受け止めて、前向きな行動に発想を転換できるかが重要です。
10月下旬から実施している3年生を対象にした校長面談で、私は主に4つの質問をしています。
(1)「卒業後の目標や将来の夢」
(2)「中学校生活で身につけた力」
(3)「長所と短所」
(4)「日常の行動や判断の指針として大切にしている言葉(座右の銘)」
などです。少し緊張しながら、一生懸命に話をしてくれる姿が微笑ましく、この時間は、私にとって生徒と向き合える貴重な時間となっています。大切な言葉の一例を挙げると、「有言実行」(やると言ったことは必ずやり遂げる)、「一期一会」(出会いを大切にする)、「楽して生きる」(人生は苦しみが多いが困難を乗り越えた先にこそ幸せがある)、「やらないで後悔するより、やって後悔したほうがいい」(行動せずに後悔するよりも、例え失敗しても挑戦したほうがよい)、「縁の下の力持ち」(人が見ていないところでも力を尽くす)などがあります。生徒たちは、理想と現実の違いに落ち込んだり、他者とのコミュニケーションで苦労したり、様々な活動の中で悩むことも多かったことでしょう。それでも仲間と力を合わせて乗り越えてきたからこそ、前を向くことの大切さを実感したのだと思います。「失敗も学びのチャンス」と捉え、挑戦し続けてきた生徒たちは、まさに“子どもは子どもの中でこそ育つ”を体現しています。私たち教職員は、保護者の皆様とともに、生徒たちを大きな愛情で包み込みながら、成長を支えていきたいと思います。
また、12月4日からの人権週間に合わせて、各学年で人権学習に取り組んでいます。
1年生は、福祉体験(車椅子体験など)を通じて、すべての人が楽しみや幸せを共有するために、どのような社会をつくることができるのかを考えました。さらに、世界中のすべての子どもたちがもつ権利「子どもの権利条約」が守られていない現状を知り、自分たちに何ができるのかを話し合います。また、2年生は、第二次世界大戦における「沖縄地上戦」で亡くなられた戦没者を慰霊する活動をされている語り部の方からお話を聞き、“命の尊厳”と“平和の尊さ”について考えます。さらに、3年生は「ハンセン病患者・回復者」の思いに触れ、勝手な思い込みや同調的な言動が偏見や差別を助長していった人権問題について学びます。どの学年も、生徒同士の気づきや対話を大切に、差別を許さない社会をつくるために正しい理解と認識を深め、自ら考え、判断し、行動できる力を育みたいと考えています。
去る11月14日(金曜日)に、新しい生徒会役員を選出する立会演説会と投開票が行われました。「詳徳中学校をもっとよい学校にしたい」「明日も来たいと思える学校にしたい」「挨拶ができる学校にしたい」・・・これまで大切にされてきた生徒主体の生徒会活動が、いよいよ3年生から1・2年生に継承されます。次期生徒会を中心に、“チーム詳徳中”が、さらに熱く躍動するよう、教職員も共に汗して頑張ります。
保護者の皆様、地域の皆様方には今後ともお力添えをいただきますよう、どうぞよろしくお願い申し上げます。
校長 國府 美幸



