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学校だより 1月号
「優しさ」と「想像力」を大切に
謹んで新年のお慶びを申し上げます。旧年中は、本校の教育活動にご理解、ご協力をいただき感謝申し上げます。今年は、阪神・淡路大震災( 1995年1月17日発生)から、丸30年を迎えます。
そして、能登半島地震が起こって、ちょうど1年が経ちます。1月7日の始業式では、能登半島の少しでも早い復興を願うと共に「今日、 全校 みんな で 3学期始業式を無事迎えることができる喜びを実感し、みんなで感謝しよう。」と話しました。そして、この当たり前を守るためには、みんなの努力が必要であることも再確認しました。
さて、2学期の終業式式辞では、生徒たちの日頃の優しさに対するお礼と共に、2つの問題を出し、「優しさと想像力」をテーマとして次のような話をしました。
12月上旬に、中庭の落ち葉を掃除していただいていた用務員さんにお礼を述べた時、次のような返答がありました。「校長先生、こんな事は初めてですわ。落ち葉を掃除していると、生徒さんが校舎から出てき て、一緒に落ち葉を集めてくれるのです。一日だけではなく、数日間ですよ。嬉しかったです。優しい生徒さん達です。よろしくお伝え下さい。」
その2,3 日後に、もう 1 人の用務員さんが声を掛けて くださいました。「校長先生、嬉しいことがあったのです。先日、生徒会本部の生徒さんが『今までお昼のお茶をありがとうございました。ウォーターサーバができて、だんだんみんながお茶を飲まなくなったので、お茶をクラス1つから、学年1つにしていただけますか?』と言いに来てくれたのです。私たちの苦労を察してくださったことがとても嬉しかっ たです。よろしくお伝え下さい」
話は変わりますが、いつもながらの問題です。「飛行機はジェット燃料で飛んでいますが、あるモノを活用して新しい燃料で飛行機を飛ばそうとしています。何を活用しよ うとしているでしょうか。」
答えは、ミドリムシです。
亀岡市では、使用済みの食用油を集めていますが、それと混ぜて「SAF(サフ)」と呼ばれる「持続可能な航空燃料」が注目を集めています。これを使えば、CO₂ 削減効果が6~8割あると言われています。化石燃料を使わずに、地球に優しい燃料の実用化を目指しているのです。
2問目です 。「使い捨てカイロを回収して、リサイクルするそうです。何になると思いますか。」
答えは、ステンレスの材料にして「スプーン」や「フォーク」にするそうです。宮津市の小中学生が今年3月頃まで、回収作業をするそうです。
この二つの話と、先に述べたお二人の用務員さんとのお話には、共通点があると思うのです。それは、「優しさ」と「想像力」です。
お世話になっている人や物に優しくするためには、どうしたら良いか想像する。そして、行動する。「 SDGs 」という言葉は皆さんも知っていると思いますが「持続可能な開発目標」の大元にな るのは、「優しさ」と「想像力」だと思うのです。
生きていくために必要な「水」「空気」「食べ物」「環境」に優しくすることは、「節水」「空気を汚さない。」「食べ物を残さない。」「ゴミを分別する」に繋がります 。「命」「健康」「人権」に優しくすることは、どうするのがよいと思いますか。多くの優しさを持っている皆さんには、この冬休みに一年間を振り返り、令和7年は、どのような分野にその優しさを向け、行動しようと思うかを是非考えて欲しいと冬休みの宿題を出しました。
1・2年生には、「来年度への詳徳中学校に優しさを向けて欲しい。」と願っています。2年生には、来年度詳徳中学校をリードしていくリーダーとして、1年生は、入学してくる後輩たちの頼れる先輩として、学習面、部活動、生徒会活動、日常生活などさまざまな場面での準備を、3学期にして欲しいと思います。
そして、3年生には「将来の自分に優しさを向けて欲しい。」と心から祈っています。来年度の自分の進路実現に向けて、悔いのない頑張りを期待し、保護者の皆様と共にできる限りのサポートをしたいと考えております。
本年も昨年同様、本校の教育活動に対し、ご理解とご協力をよろしくお願いいたします。
校長 川口研一