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学校だより 2月号
『失敗は、成功の途中』
今週末の2月3日は節分です。古来、季節の変わり目には「邪気が生じる」と信じられていたため、その邪気を追い払うため、節分には豆まきをするそうです。そして、節分の翌日は立春です。四季の始まりは立春、続いて立夏、立秋、立冬で一年が周ります。立春は春の始まりであり、1年の始まりとされる日です。これからだんだんと春の気配が感じられるようになりますが、「その春に向けての準備を、この3学期にして欲しい。」「その準備をするために、次のような視点で考えてみてはどうか。」と3学期の始業式に以下の話をしました。
次の物の共通点は、何だと思いますか。「付箋。あえて商品名をいうと『ポストイット』」「電子レンジ」「コカ・コーラ」これらの物の共通点には、三学期に大切にして欲しいことが隠れています。実は、3つとも「失敗から生まれた発明品」なのです。
●付箋「ポストイット」
1968年、アメリカの化学会社・3Mが超強力接着剤の開発中に、試行錯誤の末に完成したのは、なんとも弱々しい使い途のない接着剤だったのです。ただ、はがした後も接着力が保たれる性質があり、本から紙のしおりが滑り落ちるのを煩わしく思っている友人を見て、付箋を思いついたのです。
●電子レンジ
第二次大戦中の1945年、アメリカの軍需品製造会社が軍事用レーダーの実験をしていたとき、技術者のポケットに偶然入っていたチョコレートが溶けていました。レーダーの電磁波によりチョコが溶けたことに気付き、電子レンジが生まれました。
●コカ・コーラ
アメリカの禁酒法時代、お酒の代わりになる代用飲料、そしてモルヒネやアヘン中毒の治療にも使える「薬」を開発中に、出来上がったレシピに冷たい炭酸水を入れたところ美味しいということから誕生したのです。
Iphoneを発明したスティーブ・ジョブスが、こんな言葉を残しています。
「成功と失敗の一番の違いは、途中で諦めるかどうかである。」私たちはつい、成功と失敗を2択のように感じてしまいますが、発想を転換して、2択ではなく失敗の先に成功があると考えて欲しいと思います。途中で諦めた時は、失敗になります。続けていれば、成功のためにチャレンジしている途中です。目標に向かっていれば、途中に必ず「失敗」を経験します。失敗した時に、そこからどうするかが大事だと思うのです。成功か失敗かの2択で考えずに、「失敗は成功の途中にあるもの。失敗したからこそ成功するためにどうするか?」ということを考えることを大切にして欲しいと思います。
冬休みに立てた「来年の目標」の準備に向けて、3学期には挑戦するする心を持ち続けましょう。そして、「失敗した」と思った時には、「成功の途中」と発想を転換して、詳徳中学校の先生方と生徒の皆さんとで良い準備の学期にしていきましょう。
川口 研一