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学校だより 7月号
「想像力」と「心理的安全性」
校庭を眺めると、「花いっぱい運動」で生徒たちが植えてくれた花々が、強い日差しに照らされて色鮮やかに、とても眩しく感じられます。梅雨明けとともに猛暑が予想されますので、どうぞご自愛ください。
さて、6月5日朝校門前で登校指導をしていると生徒から「校長先生、お手紙です。」と元気よくお手紙を渡してもらいました。その手紙は、剣道全国大会出場決定のお知らせでした。すぐさま、職員朝礼で先生方にその旨をお知らせし、生徒達に知らせると共に、祝福をして欲しいとお願いしました。15分後、朝学活から戻ってきた担任の先生が「校長先生、クラスで剣道の全国大会出場を生徒達に知らせたところ、空手大会でも全国大会出場が決まったそうです。」という嬉しい報告。さらに、別の担任の先生が「フェンシングでも全国大会出場を決めたそうです。」と、朝の8時から9時の間に、三競技5名の生徒の全国大会出場を知るとても嬉しい朝になりました。剣道大会には日数谷大昇君が、空手大会では米丸旺汰君、山﨑大智君、松下瑛哉君、フェンシング大会には河邊大晟君がそれぞれ全国大会出場です。おめでとうございます。全国大会での活躍を、詳徳中学校のみんなで応援したいと思います。頑張ってください。
さて先日、東京―大阪間の高速道路の、無人運転の大型トラックによる物流事業を、2026年度にも始める計画があるとの新聞記事を目にしました。レベル4運転(特定条件下における完全自動運転)の許可制度を盛り込んだ、改正道路交通法が成立したのだそうです。早ければ26年度から、関東~関西の全区間で保安要員が同乗して走行を始め、30年度以降には保安要員が不要な「無人走行」ができるようにするそうです。
空路においても、2022年12月の改正航空法の施行で、今年6月5日にドローンの「レベル4の飛行」が解禁されました。レベル4とは、住宅街や都市部などの「有人地帯」においても「目視外」でドローン飛行が可能となるのです。具体的には、沖縄からドローンを操縦して、北海道の札幌市の上空を飛行して物を輸送できることを目指しているようです。
そこで驚いたのは、安全を確保するために、強い風に吹かれて機体が傾くとスピードダウンし、一定以上傾くとパラシュートが開く仕掛けが考えられており、人との接触事故回避のために、監視カメラによって飛行の監視システムを検討しているということでした。またそれ以上に驚いたのが、活用可能範囲が拡大することで、飛行に伴う騒音で恐怖感などをもたせないように工夫されているということです。社会に受容されるために、プロペラが発する音が騒音とならないよう研究が進んでおり、渦巻き状に湾曲した八の字の形のプロペラが開発されているのだそうです。
安全性を考えるための工夫は十分に想像することができましたが、身近にたくさんのものが飛んだ時に、人々に受け入れられるための工夫には、想像がおよびませんでした。最近、大雨、大雪、社会情勢など「想定外」や「今までに経験したことのない」という言葉を、とてもよく耳にするようになりました。今回読んだ記事で、「想定外」を「想定内」にするためには、「想像力がとても大切なことなのだ。」と実感いたしました。
現在、教育現場では「未知の状況に対応できる課題解決能力」の育成が叫ばれています。まさしく、想像力を育成することが、課題解決能力育成への第一歩なのだと思います。そして、想像力を育成するためには、組織の中で自分の考えや気持ちを、誰に対してでも安心して発言のできる状態、つまり「心理的安全性」が大切と考え、学校生活を送っております。
今後とも本校の教育活動にご理解とご協力の程を今まで同様よろしくお願いいたします。 校長 川口 研一