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学校だより 6月号
~ 失敗は発見!! ~
本年度がスタートして、はや2ヶ月が経過しました。生徒たちは、新しい学年や学級での生活にも慣れ、勉強や部活動、行事などにみんなで取り組んでいるところです。
5月中旬には1・2年生は校外学習、3年生は修学旅行を、それぞれ大きな怪我や事故もなく無事実施できたこと、本当に嬉しく思っております。
また、裏面にも記載したとおり、亀岡市春季大会では、多くの運動部が表彰状や盾を持って帰ってきてくれました。その春季大会で、複数の部活の生徒たちが、試合を終えて、嬉し涙や悔し涙を流す場面に、出くわしました。夏休み実施の夏季大会では、中学校生活最後の試合を終えた後や、全国・近畿大会への予選会の場面で数多くの生徒たちの涙を見ることはあるのですが、上位大会へつながらない亀岡市の春季大会では、珍しい場面でした。きっと、その涙は、昨年度の8月から新チームになり、高い意識を持ち続け、長く寒い冬の時期に必死に練習に取り組んできたからこそだと想像することができました。そして、入学式に話した次の話を思い出しました。
みなさんは、現在歩いたり走ったりすることができますが、赤ちゃんがハイハイから立って歩き出すのはなぜだと思いますか。「ハイハイができるようになった赤ちゃんが、安定性を捨てて、何度も転びながらわざわざ不安定な二足歩行を獲得しようと挑戦するのはなぜか。」という研究があります。この研究によると、移動手段としては立って歩くことの方がハイハイすることより効率がよいため、赤ちゃんは一日に14000歩を歩き、一日に100回ほど転びながら、安定した歩行を獲得しているのだそうです。
また、みなさんは、偉大な発明家として知られているトーマス・アルバ・エジソンを知っていますか。彼は、私たちの生活に必要不可欠な電気の発電と送電を事業化したり、白熱電球や、オーディオの原型となった蓄音機などを発明し普及させたりするなどの功績を残しています。
彼の格言に「わたしは今までに、一度も失敗をしたことがない。 電球が光らないという発見を、今まで2万回したのだ」というものがあります。「電球が光らない」ことを、失敗ではなく発見と前向きにとらえ、挑戦し続けたことが、今の私たちの便利な生活につながっているのです。
最後に、「『成功』の反対は?」と聞かれたら何と答えるでしょうか。辞書には、『成功』の反意語は『失敗』とありますが、作家であり、精神科医である加賀乙彦さんは『不幸な国の幸福論』という本の中で、「成功の反対の意味は『チャレンジしないこと』」と述べています。
今後の中学校生活では、学習面や部活動、様々な行事において、多くの困難や大きな障害に出くわすことと思います。「失敗を発見(気づき)」ととらえ、失敗することを恐れ挑戦しないことのないように、前向きに行動を起こす一年にして欲しいと思います。
保護者の皆様、地域の皆様、心が大きく揺れる思春期まっただ中の生徒たちのご支援とご理解ご協力を、今まで同様よろしくお願い申し上げます。
校長 川口研一