ページの先頭です。 メニューを飛ばして本文へ
現在地 亀岡市立詳徳中学校 > 行事 > 学校行事 > 卒業式 校長式辞

本文

卒業式 校長式辞

2023年3月13日更新 印刷ページ表示

式辞

 桜のつぼみの膨らみに、うららかな春の訪れを感じさせる今日。ご来賓として亀岡市教育委員会教育委員 末永礼子 様をはじめ、ご来賓の皆様、そして多くの保護者の皆様のご臨席を賜り、令和四年度 第三十七回卒業証書授与式が挙行できますことを、心から感謝し、厚くお礼申し上げます。

 さて、152名の卒業生の皆さん、卒業おめでとうございます。皆さんは、本日をもって、九年間の義務教育の課程を終えることとなります。皆さんが健康にこの日を迎えられたことを、大変嬉しく思います。

 三年前、皆さんの中学校生活は、入学式とその翌日の1日だけ登校した後、部分登校を経験しつつも、平常授業が再開されたのは6月1日から、という今まで経験したことのないようなスタートとなりました。その後もコロナウイルス感染症により、様々な制限がかかる中、試行錯誤の三年間であったと思います。皆さんはそのような限られた環境の中で、「工夫すること」「あきらめない強い心を持つこと」「前向きな気持ちを持ち続けること」を身をもって実践してくれました。そして、困難な中でも懸命に取り組む皆さんの姿から「当たり前のことが当たり前にできることの難しさとありがたさ」を実感させられました。

 特に、「笑う門には勝ちきたる」というスローガンのもと行われた体育祭では、全校生徒が「笑顔」で楽しむ姿に、大きな感動をもらいました。

 貧困や病いに苦しむ人々を救う活動を、生涯を通して行い、ノーベル平和賞を受賞したマザー・テレサさんは、「平和は微笑みから始まる」との言葉を残されています。「笑顔」は、周りの人に癒やしや安らぎを与えます。3年生の皆さんが全力で作り上げた体育祭からは、笑顔の素晴らしさや笑顔の偉大な力、そして、笑顔は本当に幸せを運んできてくれることを教えられました。

 さらに、皆さんは、笑顔を見せたくても見せられない、笑顔になれない国や地域があることにも、気づかせてくれました。それは、世界中にある環境問題・差別・貧困・人権問題などの課題を、2030年までに世界のみんなで解決しようとする、「持続可能な開発目標」であるSDGsについて、3年間を通じて学習した皆さんだったからこそです。

 環境学習の中から、自分たちのSDGs行動宣言をスタートし、伝統でもある5円玉キャンペーンやあいさつ運動を継続しつつ、プラスチックゼロの観点から、エコキャップ回収をマイボトル運動に変更し、啓発ポスターコンクールへと発展させました。また、靴下の色などの校則見直しや、ウクライナ侵攻に対する緊急募金を提案してくれました。下校途中に散乱したゴミの掃除をしたり、ゴミを拾いながら登下校してくれた人もいます。

 平和学の父と言われるヨハン・ガルトゥング氏によると、「平和」というのは大きく2つに分けられるそうです。一つは暴力や戦争がない状態を指す「消極的平和」、もう一つは、共感をもとにした協調と調和がある「積極的平和」です。そして、「平和」のためには、三つの暴力を取り除くことが大切だとしています。その三つとは、戦争や紛争などの「直接的暴力」の他に、他人への不寛容、偏見、憎悪、無関心などの「文化的暴力」、そして貧困や環境問題、差別などの「構造的暴力」です。つまり、日々の日常生活において、改善すべき点や改善するための方法を見つけ、自ら行動してきた皆さんの活動は、「平和」につながる、小さいけれど確実な一歩に、他なりません。皆さんは自らの発言や行動から、「平和とは何か」を教えてくれたのです。

 皆さんは、この石を覚えていますか。2年生のとき、人権学習でご講演いただいた黒田さんからの贈り物です。石材店を営まれていた黒田さんが、戦争から亀岡の地に戻られた時に見た愛宕山の形にそっくりで、大切にされていたものを、「平和の石」として本校に寄贈してくださいました。詳徳中学校の皆さんが、これからもこの石を見て、平和について考えて欲しい、との思いからです。その黒田さんの思いが、皆さんの中にしっかりと息づいていることを、とても嬉しく思います。これからも「笑顔」を忘れず、「平和」のために行動できる人であって欲しいと願っています。

 「笑顔」といえば、一般的に動物の中で笑うのは人間だけだそうです。そして、赤ちゃんの頃、お母さんにミルクを飲ませてもらい、おなかがいっぱいになったときの表情が、笑いの始まりだそうです。さらに、生後6ヶ月になると、家族や周囲の人に対して見せる自分の笑顔が、周囲の人の笑いを誘うことを学習し、これが「社交上の笑い」の始まりとなるようです。つまり、平和の礎となる皆さんの笑顔は、ご家族によって生まれ、育ててもらったものなのです。

 この卒業式が終わったら、笑顔を守り育ててくださった保護者の皆さん、おうちの方々に、みなさんの感謝の気持ちをぜひ伝えてください。

 最後になりましたが、保護者の皆様、お子様のご卒業、誠におめでとうございます。長くも、そしてあっという間にも感じられる、義務教育の九年間だったことと思います。とりわけコロナ禍のこの三年間は、様々な面で学校教育にご理解、ご協力を賜りましたことに、心より感謝申し上げます。今後は、地域の良き理解者として、本校の教育活動にさらなるご支援を賜りますよう、お願い申し上げます。

 それでは、卒業生の皆さん。明日からの前途に幸多かれと祈りつつ、悔いのない確かな一歩を踏み出してくれることを願い、式辞と致します。

 

令和五年三月十三日

詳徳中学校 校長 川口研一


学校からのお知らせ

学校概要
校長室から・・・
行事
PTA活動
学校いじめ防止基本方針

亀岡市中学校昼食予約システム<外部リンク>

昼食の予約・解除はこちらから。

ふるさと納税

ご協力をお願いいたします。詳細はこちらから。

学警連

亀岡市教育員会と京都府警察本部は、児童生徒の健全育成に関する新たな協定書を締結しました。詳細はこちらから。