生涯学習都市・亀岡30年のあゆみ 生涯学習とは、人々が生涯にわたり主体的に続ける学習活動のことです。亀岡市は、生きる喜びと明るく豊かなまちに住む喜びの持てるまちを目指し、昭和63年3月30日、全国の自治体に先駆けて「生涯学習都市」宣言を行いました。それから30年。平和で、未来に夢を描ける、誰もが住んでいることを誇りに思える「ふるさと亀岡」が市民の皆さんの参画と協働により醸成され、さらに広がりを見せようとしています。  亀岡市の生涯学習は、本市が輩出した偉大な思想家であり、「石門心学の祖」として著名な石田梅岩の教えを源流に置いています。石田梅岩の生き方は、庶民の日常の中で道徳の実践を説き、まさに生涯学習の真髄を物語るものとして、現代にその志を受け継いでいます。  本市が「生涯学習都市」宣言を行った翌年の平成元年1月、第1回「コレージュ・ド・カメオカ」、同年10月に「亀岡生涯学習市民大学」、平成3年には「-ダイナミックかめおか-丹波学トーク」が開講。生涯学習三大シンボル講座として、現在も市民の皆さんの学びの場として親しまれています。また、全国の生涯学習によるまちづくりの推進、生涯学習意識の醸成、文化水準の向上を目的として「生涯学習賞」を設け、生涯学習の意義を内外に広く呼びかけています。他にも、生涯学習の複合施設「ガレリアかめおか」や「地球環境子ども村」を拠点に多くの人が集い、交流する中でさまざまな学びの機会を提供しています。  本年、亀岡市が「生涯学習都市」宣言をして30年を迎えました。これまでの生涯学習推進の成果と広がりを見せる市民の皆さんの活動、社会経済情勢の変化も踏まえ、今後も市民の皆さんと協働でまちづくりを進めてまいります。 「人の人たる道」を説いた石門心学の祖ー生涯学習の先駆者 石田梅岩ー  貞享2(1685)年(江戸時代中頃)、現在の亀岡市東別院町東掛の農家に生まれた石田梅岩。律儀で厳格な父親の影響を受けて育ちました。青年期に「自分とは何か」「人間とは何か」「いかに生きるべきか」などについて真剣に考え、その答えを求め、仕事のかたわら勉学に励み、独学で研鑽を重ねたといわれています。  梅岩の絶え間ない学習意欲は成果として蓄積され、享保14(1729)年、45歳の時、「人の人たる道」の追求により人間の本性、心のあり方を集約し、念願の開講を実現。当時としては型破りの無料、出入り自由、性別不問の講義に人々は感銘を受けました。  60歳での没後も梅岩の教えは「石門心学」として受け継がれ、その志は生涯学習の原点として現代に生きています。 手をとりあって学び合う、平和で豊かなまちー「生涯学習都市」宣言ー  昭和63年3月30日、亀岡市は、他の自治体に先駆け、西日本で初めて「生涯学習都市」宣言を行いました。  この宣言は、亀岡市民が地域の一員として手をとりあい、生涯にわたって学び続けることで生きる喜びを実感し、平和で豊かなまちづくりを目指す決意をあらわすものです。 大きく広がる生涯学習の意義ー生涯学習賞ー  亀岡市の「生涯学習都市」宣言の基本理念を広く内外に発信する制度として、平成13年度に「生涯学習賞」を設立しました。この賞は、生涯学習の推進、男女共同参画社会の発展、環境と人間の共生、地域に根差した活動などで著しい功績のあった個人・団体・グループに送られ、生涯学習大賞「石田梅岩賞」、生涯学習ゆう・あい賞「千登三子賞」、生涯学習共生賞「上田正昭賞」、生涯学習奨励賞が設けられています。 生涯にわたる学びの機会ー三大シンボル講座ー  本来的に多種多様な面を持つ生涯学習。真に自発性に基づく創造的な学習の営みを求めるために、民間活力を導入した公益財団法人生涯学習かめおか財団により3つのシンボル講座を企画・運営し、あらゆる分野における幅広い学びの機会を提供しています。 ■コレージュ・ド・カメオカ  全国的・世界的な視野に立ち、各界で活躍される著名な学者、文化人を講師に招き、一般公開による自由聴講制で多くの市民の参加のもと開催しています。 ■亀岡生涯学習市民大学  受講生の中から運営委員を構成し、企画・運営に市民が主体に取り組むことで、「市民の、市民による、市民のための市民大学」を目指し開催しています。 ■-ダイナミックかめおか-丹波学トーク  さまざまな角度から講師と参加者が一体となって問題提起をし、人類的、地球的な広い視野から地域学としての丹波学を確立させることを目指します。 市民の皆さんとの協働によるまちづくりー生涯学習の新たなステージへー  亀岡の生涯学習によるまちづくりは一定の成果と広がりをみせ、市民の皆さんと協働でまちづくりに取り組む、新たな展開に入っています。平成27年3月からの「第2次亀岡市まちづくり協働推進実施計画」により、市民協働の推進を強固なものとし、地域課題の解決に向けた取り組みを加速化させています。 ■第2次亀岡市まちづくり協働推進実施計画(平成27年度から平成31年度) 1 協働推進の基本的な考え方 (市民協働の概念) 市民参画と協働の輪を広げ、豊かで魅力があり、誰もが愛着心を持てるまちづくり 1協働まちづくりの進捗状況と前実施計画の成果 2本実施計画(第2次実施計画)における課題 3本実施計画(第2次実施計画)のテーマ 2 協働推進のための取り組みと施策 1協働推進まちづくりへの意識の啓発 2市民活動の継続的な支援 3コミュニティ活動の新たな展開 4地域課題解決に向けた中間支援機能の充実 5協働推進体制の充実 3 行動計画(アクションプラン) 1協働を促進するプロモーションの強化 2市民活動への寄付を受け入れる基金の創設と運用 3地域資源を循環させる仕組みづくりの運用と構築 4協働コーディネーターの仕組みづくり