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ほどよく田舎、ほどよく都会一歩踏み出せば、大きな優しさにふれあえるまち
子育ての中で広がっていった人と人とのつながりを大切に結びながら、現在は若いお母さんを支援するNPOで活躍中の多胡さんに、亀岡での子育てについてお話いただきました。
多胡 麻衣(たご・まい)
1999年、生まれ育った北摂のニュータウンから亀岡市へ。子育てを通じてNPO法人亀岡子育てネットワークと出会い、現在は理事長として活動中。亀岡の子育て応援情報誌「Gyutto(ぎゅっと)」編集長兼任。
亀岡移住のきっかけ
それまでは川西市のニュータウンに住んでいたのですが、結婚が決まって家を探すことになりました。夫の勤め先が京都市内でしたので、経由地に当たる亀岡市はどうだろう、と考えたのです。詳しく調べたわけではありませんが、ほどよく田舎、ほどよく都会という印象で、いま住んでいる篠町は特に住み慣れた新興住宅街の雰囲気も持っていました。
子どもが生まれて
長女が生まれたのは2001年、引越し前に見た界隈は子どもが多そうなイメージでしたが、同級生に当たる赤ちゃんもいなくて、これではお友だちもつくりにくいのかな、などと心配も出てきました。まだご近所とのおつきあいらしいものもなかった頃のことです。初めての子育ては不安と孤独感でいっぱいでした。
地域とのつながり
長女が1歳2ヵ月になったころ、子育て支援センター「かめおかっこひろば」ができました。京都市にはこどもみらい館というのがあって、同じような施設ができたらいいなと思っていたのです。
喜んで毎日のように通い、お友だちもたくさんできました。内向しがちな日々が一変し、そこから子育てが楽しくなってきたのです。
市内各地から集まってきた友達は幼稚園も小学校もみんな違うところへ進みましたが、長女が中学生になった今も親しくおつきあいを続けています。
NPO参加へのきっかけ
ひろばで黄色い表紙の情報誌「亀岡はじまる・はぐくむ・はんどぶっく」を読みました。
身近な情報が掲載されていてすごく役立ちましたが、少し古かったので改訂版が出ないかなと思ったのです。
下の子も3歳になり、子育てに少し余裕も出た頃。独身時代の誌面制作の経験を活かすことができるのなら、お手伝いしたいと思っていました。
そんなとき、参加したイベントで出会ったのが情報誌を作っていたグループの代表の方でした。
あまりの偶然にドキドキしたのを覚えています。それが亀岡子育てネットワークとの出会いでした。
亀岡はじまる・はぐくむ・はんどぶっく
子育てネットワークでの活動
私も経験したように、乳幼児のいるお母さんたちは家で孤独を感じている人も多く、つながりを求めています。そんな声に応えるために子育てネットでは自由に集える「ゆりかごひろば」や一時保育「りとっぽ」、親子教室「COCO(ここ)いく」などを開催しています。私が入った8年前は携帯メールで子育て情報発信を始めようとしていた頃で、そこからずっと情報を届ける活動をしています。
子育てネットワークの活動の様子
「GYUTTO(ぎゅっと)」の創刊へ
黄色い冊子の代わりに発行されることになったのが“地域とつながる”をコンセプトにした子育て応援情報誌、「Gyutto(ぎゅっと)」です。若いお母さんには亀岡の素敵なところを知ってもらい、まちの人たちにも頑張るお母さんたちを身近に感じていただく、その橋渡しができる情報誌にしたいと思いました。
私も他所から来たのでよくわかりますが、他の地方都市と同様に亀岡も馴染むまでは閉鎖的な印象を受ける面があると思います。でも思い切って話してみたらすぐに打ち解けることができる。「Gyutto(ぎゅっと)」を通じて、新しく亀岡へ来た皆さんにもそう感じていただきたいと思っています。
子育てをはじめる皆さんへ
昔と比べれば、今のお母さんは情報収集も上手ですけれど、それでもどれを当てにするべきかという迷いもあります。ママになりたての若い女性に目を向けると、自分のやり方で自由に子育てをしているように見えますが、大変さはやっぱり今も昔も変わらない。話を聞いてみると、日々いろいろ悩みながら頑張っているのです。それをまちのみんなで分かち合えれば素敵ですね。
昔、子どもを抱いてスーパーで買い物をしたときに、カートのカゴをさっとレジの台に上げてくれた方がいました。本当に嬉しかったです。今は私がやってあげる番ですが、こんな小さな思いやりがもっと広がっていけば、さらに住みやすいまちになると思います。
亀岡は、入ってしまえば本当に懐が深い。いろんな世代の人と関わりながら、助け合いながら、しっかり生きていけるまちだと思います。ぜひこのまちで、お子さまと一緒にその楽しみを見つけてください。
メッセージを熱く語る多胡さん