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やさしい健康講座


第80回 鼠径(そけい)ヘルニアについて
執筆者写真

亀岡市立病院

外科医員  越智 史明

専門分野: 消化器外科

 鼠径ヘルニアとは一般に‘脱腸’と呼ばれ下腹部から足の付け根にかけての鼠径(そけい)部が飛び出す(ヘルニア)良性の病気です。小児だけではなく成人、特に男性に多くみられる病気です。小児の鼠径ヘルニアは自然に治るケースもありますが成人の場合は加齢とともに鼠径部の組織が脆弱になることで起こるため治療が必要となります。
鼠径ヘルニアは飛び出してくる場所によって外鼠径ヘルニア、内鼠径ヘルニア、大腿ヘルニアの3つに分類されます。症状としては鼠径部の不快感や痛みなどがありますが多くの場合で立った時やおなかに力を入れた時に鼠径部に柔らかい膨瘤を認めます。この膨瘤は指で押さえたり寝転がったりすると一時的に消えてなくなりますが時に飛び出したヘルニアに腸が嵌り込み指で押さえても戻らなくなる場合があります。この状態を嵌頓(かんとん)と言い、嘔吐や強い痛みを伴うことが多く非常に危険な状態で緊急手術が必要になります。嵌頓を予防するためにも計画的に治療を行うことが重要です。鼠径ヘルニアはお薬では治りません。手術が唯一の根治療法となります。

 


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