ホーム やさしい健康講座


やさしい健康講座


第71回 動脈硬化と食事(特に脂質)について
執筆者写真

亀岡市立病院

内科部長  松尾 龍平

専門分野: 循環器

 動脈硬化による病気である狭心症とか心筋梗塞など冠動脈疾患死亡率は、日本は他の先進諸国に比べて極めて低いのですが、その理由の一つに食事の影響が考えられています。伝統的な日本食は海外諸国で注目され、取り入れられたりしています。ただ日本食は塩分が多くなることがあり、減塩に留意した日本食が勧められます。脂質(脂肪酸、コレステロール)の摂取については、お肉や卵、牛乳など動物性脂肪に多く含まれる飽和脂肪酸とコレステロールの摂取に注意する必要があります。これは摂りすぎると悪玉コレステロール(LDL)が増加し、動脈硬化を進めると考えられているからです。
  しかし一方で摂取量が極端に少ない人には、脳出血の発症率が高いとも言われていますから、極端に控えるのは良くありません。できるだけ避けた方が良いものとして、ショートニングがあります。これはマーガリンとほぼ同じですが、工業的に生産された食用油脂です。使うと食感がサクッと仕上がるため、クッキーなどの焼き菓子や揚げ物の添加剤に、バターやラードの代わりに使われていることがあります。このショートニングにはトランス不飽和脂肪酸という厄介なものが多く含まれていて、体の中に悪玉コレステロール(LDL)、中でも特に良くないとされる酸化LDLを上昇させて、善玉コレステロール(HDL)を低下させる作用があります。
 調理にもなるべく油を使わないことがお勧めですが、そうはいっても油物を食べざるを得ないこともあります。その場合は野菜、大豆食品、キノコ類、海藻、果物などを併せて食べますと、これらのものに含まれる食物繊維が、腸管から脂質が吸収されるのを少し抑えてくれます。普段から未精製の穀類(胚芽パン、全粒パン、玄米、麦ごはんなど)を摂るようにすると良いかも知れません。

 


▲ ページトップ