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やさしい健康講座


第51回 膵癌(すいがん)について
執筆者写真

亀岡市立病院

副院長 天池 寿
専門分野:消化器一般外科、上部消化管外科、肝胆膵外科、消化管内視鏡外科

 

 膵癌は腹部臓器の悪性(あくせい)腫瘍(しゅよう)の中では、男性5位、女性6位と頻度こそ高くはないですが、5年生存率は約10%と最も治療成績の不良な疾患です。原因はよく分かりませんが、膵臓(すいぞう)の中の膵液(すいえき)を通す膵管(すいかん)から発生します。発生した場所が十二指腸寄りの時は黄疸(おうだん)で発見されることが多いですが、腸から離れた部位ではほとんど症状が現れず、極めて進行した状態で見つかる事もまれではありません。手術ができる症例は約1/3に過ぎず、大半が手遅れの状態です。
 以前は有効な抗癌剤(こうがんざい)も無く、発見から数ヶ月で死に至ることもまれではありませんでしたが、現在はジェムザールやティーエスワンという抗癌剤で治療が行なわれます。しかし、効果はまだ不十分で、手術不能症例の生存期間は平均1年程度です。長期生存の為には手術療法が必須で、そのためには出来る限り早く(膵臓の外に広がっていない状態)見つける事が最も大切です。
 50歳以上の男性にやや多い疾患ですので、中高年で胃や胆道系に病気がないにもかかわらず、上腹部や背部にもたれや違和感がある人や急に糖尿病が悪化した人は、ぜひとも膵癌の検査を受けてください。


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