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やさしい健康講座


第20回  先天性股関節脱臼
細川元男写真

亀岡市立病院

整形外科部長 細川 元男

専門分野:小児整形、骨関節外傷

 先天性股(こ)関節脱臼は、先天性に股関節が脱臼している病態です。出生時のみならず、生後の発育過程で脱臼することも多く、最近では発育性股関節脱臼と呼ばれることもあります。
 発生頻度は1000人に対して1〜2人で、女児は男児の約10倍の頻度で発生します。
 骨盤位分娩(ぶんべん)や第一子、冬季の出産に多い傾向にあり、母親や祖母が先天性股関節脱臼で ある場合も頻度が高いといわれています。治療しない場合は、将来的に股関節が変形し、人工関節置換術が必要になってしまいます。
 近年、出生数の減少や育児指導などにより先天性股関節脱臼は減少していますが、その一方で、診断が遅れた重症例が多いという報告もあり、早期診断、早期治療が非常に重要です。
 また、発育過程で発症する股関節脱臼は、予防できます。その方法は、赤ちゃんが生まれたその日から下肢の自由な動きを妨げないようにすることです(自然肢位自由運動育児法)。このため、オムツのあて方や寝かせ方、抱っこやおんぶの仕方など、赤ちゃんの自然な肢位を妨げないよう気を配る事が大切です。
 検診で股関節の異常を指摘された場合や家族に先天性股関節脱臼の治療歴がある、冬季に骨盤位分娩で生まれたなどの赤ちゃんは、整形外科の診察を受けてください。必要に応じて超音波検査、レントゲン検査をおこない、診断します。


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