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やさしい健康講座


第114回 膵癌について
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亀岡市立病院

消化器センター長兼副院長  天池 寿
専門分野 消化器一般外科、上部消化管外科、肝胆膵外科、 消化管内視鏡外科

 国立がんセンターの統計によると、2014年の『悪性新生物(がん)』の臓器別死因で、膵癌は男性5位・女性4位と年々上昇しています。2012年の人口10万人あたりの罹患率(この病気に罹る率)は、男性29.1、女性25.5で、さらにその死亡率は男性26.9、女性23.8でした。診断されてからの相対5年生存率も、男女ともに7%台と、他のがんに比べて圧倒的に不良です(死因1位の肺癌は男性27%、女性43%)。すなわち、治療が最も困難な『がん』と考えられます。これは膵臓が体の深い所に位置し、他の臓器に隠れているという解剖学的な特性と特有の症状が無いことなど、早期に見つける事が非常に困難な為です。しかし近年、胃癌や大腸癌に有効な抗癌剤治療が膵癌治療にも保険適応になった事や、薬と放射線治療を組み合わせた術前治療で、若干ですが「唯一の根治的治療法である手術」の成績も向上しつつあります。なお膵癌の危険因子としては、糖尿病(特に急にコントロールが悪化した人)、慢性膵炎、肥満、喫煙がありますが、身内に膵癌患者がいるという『家族歴』も重要な因子ですので、気になる方はぜひご相談ください。

 


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