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やさしい健康講座


第108回 かぜと肺炎
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亀岡市立病院

内科医長 木村 史子
専門分野: 内科一般、消化器病学

 鼻からのどまでの炎症を上気道炎・一般的には"かぜ"といいます。
 呼吸に関わる器官をまとめて"呼吸器"といいますが、呼吸器には病原微生物が入ってくるとそれを排除し身体を守る機能が備わっています。
 まず鼻毛や鼻・のどの粘膜で大きな粒子を捕らえ、そこで捕らえられなかった小さな粒子が気管に入ると咳をして勢いよく外へ出します。それでも残ったものは気管支に生えている細かい毛・繊毛が捕え、15回/秒のスピードで動いて外へ追い出す仕組みです。
 また、人体には"免疫"による病原微生物を排除する力が備わっており、咳や熱が出るのは、この免疫が病原微生物と戦っている状態です。免疫の働きで多くは軽い気道の炎症"かぜ"で治りますが、気道の炎症がひどくなって呼吸器の防御機能を上回った場合や、病気やストレスで免疫力が落ちている時などは病原微生物がさらに奥へ肺にまで入り込んで感染し"肺炎"になってしまうのです。
 肺炎予防としては、@病原微生物の進入を防ぐ;手洗い、うがい、歯磨き、禁煙、A病原微生物を入りにくくする;嚥下体操、B病原微生物に対する抵抗力をつける;体調管理、ワクチン接種、などがあります。わが国2010年の報告では、介護施設入所者を対象とした試験で肺炎球菌ワクチンを接種した人では、肺炎球菌性肺炎の発症が63.8%減少し、その死亡率も接種した人0%、しなかった人35.1%、となっています。ワクチン接種による発症予防と死亡率減少への有用性が期待され、現在65歳以上のすべての人を対象に接種勧告がされています。


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