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やさしい健康講座


第105回 鼠径ヘルニアについて
執筆者写真

亀岡市立病院

外科医長  荒木 康伸
専門分野:消化器外科

 鼠径ヘルニアは一般的な疾患であり俗にいう「脱腸」とよばれるものです。小児期に発症する先天的なものと高齢の方が発症するものがあり、手術も数多く施行され全国で年間16万件の手術がおこなわれています。
 症状としては、立ったとき・お腹に力を入れた際、鼠径とよばれる太ももの付け根付近の下腹部に柔らかいしこりが出現します。これはお腹の中から内容物(腸や脂肪など)が脱出している状態です。また、横になるとお腹の中に戻るためしこりは消えてしまいます。もし戻らなくなった場合には腸の血流障害が出現することがあり、診断がついた時点で治療をおこなうのがよいとされています。
 治療は手術をおこなうことになりますが、主流である前方アプローチという鼠径から修復する手術と、最近数年間で急激に数を伸ばしつつある腹腔鏡下手術の二通りがあります。腹腔鏡下手術は欧米のガイドラインでは既に最も推奨されており、疼痛の軽減・社会復帰の早さの利点がある一方、手術時間が少しかかること・全身麻酔が必要なことなどの欠点もあります。
 症状の自覚のある方は医療機関を早めに受診されることをお奨めします。


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