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やさしい健康講座


第10回  脂肪肝は危ない?
NASH(非アルコール性脂肪肝炎)という病気
渡邉正写真

亀岡市立病院

消化器科 渡邉 正

専門分野:消化器病学、肝臓病学

 お酒を飲まないのに肥満、糖尿病、高脂血症などの生活習慣病をもとに脂肪肝になる人が増加しています。このような脂肪肝を非アルコール性脂肪性肝疾患といいます。この中には予後良好な単純性脂肪肝と、一部が肝硬変や肝がんに進展する非アルコール性脂肪肝炎(NASH:ナッシュ)があります。
 NASHは、最近欧米で増加し、我が国においても大変注目されている疾患です。お酒を飲まないのにアルコール性肝炎とよく似た病態、すなわち炎症(炎症細胞浸潤)を伴った脂肪肝を呈する疾患です。診断は、肝臓の組織生検で行います。
 NASHは二段階の要因が関与し、第一段階として肥満、糖尿病、高脂血症を原因に脂肪肝が成立し、その上に酸化ストレスなどの要因が加わって生じると考えられていますが、その詳細はまだ分かっていません。NASHでは、一部で肝硬変や肝がんに進展するため、正しい診断と治療が必要です。治療としては、肥満、糖尿病、高脂血症の治療を行い、さらに抗酸化ストレス療法として瀉血(しゃけつ)療法(血液を抜くことで肝臓にたまった過剰な鉄を除く療法)や薬物療法などが試みられています。最近、検診などで脂肪肝といわれた人は、NASHの可能性がないかどうか、一度専門医を受診されることをお勧めします。


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