○亀岡市景観条例
平成27年3月26日
条例第17号
目次
前文
第1章 総則(第1条―第5条)
第2章 景観計画(第6条―第8条)
第3章 景観計画との適合(第9条・第10条)
第4章 行為の届出等(第11条―第17条)
第5章 景観重要建造物及び景観重要樹木(第18条―第23条)
第6章 景観地区(第24条)
第7章 景観協定(第25条)
第8章 景観まちづくり市民団体(第26条)
第9章 表彰及び助成(第27条・第28条)
第10章 亀岡市景観審議会(第29条―第33条)
第11章 雑則(第34条)
附則
私たちのふるさと亀岡市は、京都府のほぼ中央部に位置し、京阪神の大都市圏と近接しており、利便性に優れた住環境にありながら、四季を織りなす美しい山々に四方を囲まれ、清く澄んだ保津川が中央部を流れるなど、豊かな自然に恵まれている。また、古くは丹波国の行政や文化の中心として開けた地であり、日本の歴史舞台と深くかかわりながら、伝統ある文化とともに、地域固有の景観を守り継いできた。
悠久の時を超え、歴史とともに積み上げられてきた景観は、私たちのふるさとへの思いを育ててくれるだけでなく、亀岡市を訪れる人々の心にも安らぎや潤いといった豊かさをもたらしてくれるかけがえのない市民共有の財産である。
時代の推移とともに、これらの景観が変化しつつある今、私たちは景観の持つ価値を今一度見つめ直し、先人たちが築いてきた財産を絶やすことなく次の世代へと引き継ぐとともに、亀岡市の個性を活かした魅力ある景観を新たに創造していかなければならない。
「豊かな景観がはぐくむにぎわいと文化が織りなす共生のまち かめおか」という理念の下、住んでよかった、訪れてよかったと思えるまちを目指し、亀岡市における良好な景観の形成を推進していくため、この条例を制定する。
第1章 総則
(目的)
第1条 この条例は、本市における良好な景観の形成に関する基本的な事項及び景観法(平成16年法律第110号。以下「法」という。)の施行について必要な事項を定めることにより、市民と行政が協働し、亀岡市固有の景観と快適な生活が調和した豊かな生活環境の創造及びにぎわいのあるまちづくりの実現を図り、もって市民生活の向上及び地域社会の健全な発展に寄与することを目的とする。
(1) 市民 市内に居住する者、市内に通勤又は通学する者及び市内の土地、建物等を所有し、占有し、又は管理する者をいう。
(2) 事業者 市内において事業活動を行う全ての法人その他の団体及び市内の土地、建物等を所有し、占有し、又は管理するものをいう。
(3) 建築物 建築基準法(昭和25年法律第201号)第2条第1号に規定する建築物をいう。
(4) 工作物 建築物以外の工作物で規則で定めるものをいう。
(5) 建築等 建築物の新築増築、改築若しくは移転、外観を変更することとなる修繕若しくは模様替又は色彩の変更をいう。
(6) 建設等 工作物の新設増築、改築若しくは移転、外観を変更することとなる修繕若しくは模様替又は色彩の変更をいう。
(市の責務)
第3条 市は、この条例の目的を達成するため、総合的な施策を策定し、これを実施しなければならない。
2 市は、前項の施策の策定及び実施に当たっては、市民及び事業者の意見を反映させるよう努めなければならない。
3 市は、道路、公園、河川その他の公共施設の整備を行うときは、良好な景観の形成に先導的な役割を果たすよう努めなければならない。
4 市は、市民及び事業者の景観に関する意識を啓発するとともに、良好な景観の形成に資する行為及び活動に対し、その支援に努めなければならない。
(市民の責務)
第4条 市民は、自らが景観形成の主体であることを認識し、積極的に良好な景観の形成に努めなければならない。
2 市民は、市が実施する良好な景観の形成に関する施策に協力しなければならない。
3 市民は、良好な景観の形成に関し、相互に協力するよう努めなければならない。
(事業者の責務)
第5条 事業者は、自らの事業活動が景観に及ぼす影響について配慮し、良好な景観の形成に努めなければならない。
2 事業者は、市が実施する良好な景観の形成に関する施策に協力しなければならない。
第2章 景観計画
(景観計画の策定)
第6条 市長は、市の全域にわたる良好な景観の形成を総合的かつ計画的に推進するため、その基本となるべき計画として法第8条第1項に規定する景観計画(以下「景観計画」という。)を策定するものとする。
2 景観計画は、法第8条第2項各号及び第3項に規定する事項のほか、良好な景観の形成に関し必要な事項を定めるものとする。
(景観計画の変更手続)
第7条 市長は、景観計画を変更しようとするときは、法第9条に定める手続のほか、あらかじめ、亀岡市景観審議会(以下「審議会」という。)の意見を聴かなければならない。
(景観形成地区)
第8条 市長は、景観計画区域(法第8条第2項第1号に規定する景観計画区域をいう。以下同じ。)内において、特に地域特性を活かした景観の形成が必要な地区を景観形成地区として景観計画に定めることができる。
2 前項の場合においては、市長は、当該景観形成地区における良好な景観の形成に関し必要な事項を、景観計画に定めるものとする。
3 市長は、景観形成地区を指定し、又は変更しようとするときは、あらかじめ、審議会の意見を聴かなければならない。
第3章 景観計画との適合
(景観計画との適合)
第9条 市長は、建築物の建築等又は工作物の建設等を行うときは、当該建築物又は工作物を景観計画に適合させなければならない。
2 法第16条第1項各号に規定する行為をしようとする者は、当該行為を景観計画に適合させるよう努めなければならない。
3 法第16条第1項又は第2項の規定により届出を要する行為をしようとする者は、当該行為を景観計画に適合させなければならない。
(事前協議)
第10条 法第16条第1項の規定による届出をしようとする者は、あらかじめ、規則で定めるところにより、市長に協議書を提出し、当該届出の内容について協議することができる。
第4章 行為の届出等
(届出を要しない行為)
第11条 法第16条第7項第11号に規定する条例で定める行為は、次に掲げる行為とする。
(1) 景観計画区域(景観形成地区を除く。)内における行為のうち、規則で定める行為
(2) 景観形成地区内における行為のうち、規則で定める行為
(3) 法第16条第1項第3号に規定する行為
(行為の中止)
第12条 法第16条第1項又は第2項の規定による届出をした者は、当該届出に係る行為を中止したときは、規則で定めるところにより、速やかにその旨を市長に届け出なければならない。
(行為の完了)
第13条 法第16条第1項又は第2項の規定による届出をした者は、当該届出に係る行為が完了したときは、規則で定めるところにより、速やかにその旨を市長に届け出なければならない。
(景観計画区域内における行為の届出に添付する図書)
第14条 景観法施行規則(平成16年国土交通省令第100号)第1条第2項第4号に規定する条例で定める添付図書は、規則で定めるものとする。
(助言又は指導)
第15条 市長は、法第16条第1項又は第2項の規定による届出があった場合において、その届出に係る行為が景観計画に定められた当該行為についての制限に適合しないと認めるときは、その届出をした者に対し、その届出に係る行為に関し設計の変更その他の必要な措置をとることを助言し、又は指導することができる。
(勧告)
第16条 市長は、法第16条第3項の規定による勧告をしようとするときは、当該勧告に係る行為に関し、その形態意匠が良好な景観の形成に与える影響について、あらかじめ、審議会の意見を聴くことができる。
2 法第16条第3項の規定による勧告を受けた者は、当該勧告によって講じた措置について、市長に報告しなければならない。
3 市長は、前項の規定により報告を受けた場合は、必要に応じて調査を実施することができる。
(公表)
第17条 市長は、法第16条第3項の規定による勧告をした場合において、勧告を受けた者が当該勧告に従わないときは、規則で定めるところにより、その旨を公表することができる。
2 市長は、前項の規定による公表をしようとするときは、あらかじめ、当該勧告を受けた者に弁明の機会を与えるとともに、審議会の意見を聴かなければならない。
第5章 景観重要建造物及び景観重要樹木
(景観重要建造物の指定の手続)
第18条 市長は、法第19条第1項の規定により景観重要建造物を指定しようとするときは、同条第2項に定めるもののほか、あらかじめ、審議会の意見を聴かなければならない。
2 市長は、景観重要建造物を指定したときは、その旨を告示しなければならない。
3 前2項の規定は、法第27条第1項及び第2項の規定による景観重要建造物の指定の解除について準用する。
(景観重要建造物の現状変更の許可の手続)
第19条 市長は、法第22条第1項の規定により景観重要建造物の現状変更の許可をしようとするとき、又は同条第3項の規定により許可に必要な条件を付そうとするときは、あらかじめ、審議会の意見を聴かなければならない。
(景観重要建造物の管理の方法の基準)
第20条 法第25条第2項に規定する管理の方法の基準は、次に掲げるとおりとする。
(1) 景観重要建造物の修繕に当たっては、原則として当該修繕前の外観を変更することのないようにすること。
(2) 消火器の設置その他の防災上の措置を行うこと。
(3) 定期的に建造物の敷地、構造及び建築設備を点検すること。
(4) 前3号に掲げるもののほか、景観重要建造物の良好な景観の保全に必要な措置を行うこと。
(景観重要樹木の指定の手続)
第21条 市長は、法第28条第1項の規定により景観重要樹木を指定しようとするときは、同条第2項に定めるもののほか、あらかじめ、審議会の意見を聴かなければならない。
2 市長は、景観重要樹木を指定したときは、その旨を告示しなければならない。
3 前2項の規定は、法第35条第1項及び第2項の規定による景観重要樹木の指定の解除について準用する。
(景観重要樹木の現状変更の許可の手続)
第22条 市長は、法第31条第1項の規定により景観重要樹木の現状変更の許可をしようとするとき、又は同条第2項において読み替えて準用する法第22条第3項の規定により許可に必要な条件を付そうとするときは、あらかじめ、審議会の意見を聴かなければならない。
(景観重要樹木の管理の方法の基準)
第23条 法第33条第2項に規定する管理の方法の基準は、次に掲げるとおりとする。
(1) 景観重要樹木の良好な景観を保全するため、定期的にせん定その他の必要な管理を行うこと。
(2) 景観重要樹木の滅失、枯死等を防ぐため、定期的に病害虫の駆除その他の措置を行うこと。
(3) 前2号に掲げるもののほか、景観重要樹木の良好な景観の保全のため必要な措置を行うこと。
第6章 景観地区
(景観地区の指定の手続)
第24条 市長は、法第61条第1項の規定により景観地区を定めようとするときは、あらかじめ、審議会の意見を聴かなければならない。
第7章 景観協定
(景観協定の認可)
第25条 市長は、法第81条第4項又は第90条第2項の規定により景観協定を認可する場合において、必要と認めるときは、あらかじめ、審議会の意見を聴くことができる。
2 前項の規定は、法第84条第1項及び第88条第1項の認可について準用する。
第8章 景観まちづくり市民団体
(景観まちづくり市民団体の認定等)
第26条 市長は、景観計画区域内の一定の区域において、良好な景観の形成を促進することを目的として組織され、その活動が当該区域における良好な景観の形成に有効であると認められる市民団体について、規則で定める要件を満たすものを、亀岡市景観まちづくり市民団体として認定することができる。
2 市長は、前項の規定による認定に当たっては、必要な事項について助言することができる。
3 市長は、第1項の規定により認定する場合において、必要と認めるときは、あらかじめ、審議会の意見を聴くことができる。
4 第1項の規定による認定を受けようとする市民団体は、規則で定めるところにより、市長に申請しなければならない。
6 市長は、第1項の規定により認定した亀岡市景観まちづくり市民団体が、規則で定めるところに該当しなくなったと認めるとき、又は亀岡市景観まちづくり市民団体として適当でなくなったと認めるときは、その認定を取り消すものとする。
第9章 表彰及び助成
(表彰)
第27条 市長は、良好な景観の形成に積極的に取り組む個人、団体、地域又は地区を表彰することができる。
2 市長は、特に良好な景観の形成に寄与していると認められる建築物又は工作物の所有者、設計者、施工者等を表彰することができる。
3 市長は、前2項の規定により表彰を行おうとする場合において、必要があると認めるときは、あらかじめ、審議会の意見を聴くことができる。
(助成)
第28条 市長は、景観重要建造物又は景観重要樹木の所有者(所有者が2人以上いるときは、その代表者)に対し、その保全等に要する経費の一部を助成することができる。
2 市長は、良好な景観の形成に寄与すると認められる建築物の建築、保全等又は工作物の建設、保全等を行おうとする個人、団体、地域又は地区に対し、当該行為に要する経費の一部を助成することができる。
3 市長は、第26条第1項の規定により認定した亀岡市景観まちづくり市民団体が良好な景観の形成に寄与すると認められる活動を行おうとする場合にあっては、当該活動に要する経費の一部を助成することができる。
第10章 亀岡市景観審議会
(亀岡市景観審議会)
第29条 この条例の規定により定められた事項その他良好な景観の形成に関し必要な事項について、市長の諮問に応じ、調査し、又は審議するため、審議会を設置する。
2 審議会は、良好な景観の形成に関する事項について、市長に建議することができる。
(組織)
第30条 審議会は、委員10人以内をもって組織する。
2 委員は、良好な景観の形成に関して学識経験を有する者その他市長が適当と認める者のうちから市長が委嘱し、又は任命する。
3 委員の任期は、2年とする。ただし、特別の事情があるときは任期中であっても解嘱することができる。
4 委員が欠けた場合における補欠委員の任期は、前任者の残任期間とする。
5 委員の再任は、妨げない。
(臨時委員)
第31条 前条の規定にかかわらず、特別の事項を調査し、又は審議するため必要があるときは、審議会に臨時委員を置くことができる。
2 臨時委員は、市長が委嘱し、又は任命する。
3 臨時委員は、当該事項に関する調査又は審議が終了したとき、解嘱されるものとする。
(会長)
第32条 審議会に会長を置き、委員の互選により定める。
2 会長は、会務を総理し、審議会を代表する。
3 会長に事故があるときは、会長があらかじめ指名する委員が、その職務を代理する。
(審議会の運営)
第33条 この章に定めるもののほか、審議会の運営について必要な事項は、規則で定める。
第11章 雑則
附則
この条例は、平成27年10月1日から施行する。